砂不足での被害と今後の対策について

これまで、砂不足の現状と、砂が少なくなった理由、
それに伴って砂の争奪戦が世界中で繰り広げられていることをご説明しました。
砂が、私たちの生活と密接な関係だとわかりました。
今回は、砂不足での被害と、今後の対策についてお話しします。

【インドネシア】砂不足で小島が海底へ

海砂採取が引き起こす影響はそれだけではありません。砂は風や波、潮の流れを受け、長い時間をかけて移動を繰り返しています。海砂が失われると、残った陸に近い砂が海底へと移動し始め、海のなかへと引き込まれるように砂浜がのみこまれていく現象が実際に起きているのです。
この海砂採取の影響でインドネシアのいくつかの小島が、現に海底へと沈みました。天然資源にまつわる紛争と汚職を監視する団体(Global Witness)の調査では、驚くことに世界の海岸からすでに、70%近い砂が姿を消しているというのです。
海底の砂は、長い時間をかけてゆっくり移動しています。
そんな中、海底の砂を大量に採取することで陸地の砂が徐々に海底に移動していきます。
そのことで、インドネシアでは小島が海の中へ消えました。
砂不足で島が消える!?
はい、小島などは影響を受けやすいです。

海底生態系の壊滅の危機

山や河川から採取してきた採掘業者たちは、陸上の砂の採取が難しいと判断するや、海砂に白羽の矢を立てました。「何万年もかけて堆積した海底の砂を根こそぎ採ることは、海底の生態系を壊滅させる結果を招く」。動画のなかで地質学者のMichael Wellandは危惧しています。
さらに、海底の砂を採取すると、海底の生態系に変化を与え、壊滅させる可能性もあります。

【スリランカ】砂不足で津波被害が甚大に

実は、砂不足のせいで2004年に起こったスマトラ沖地震でスリランカでの津波被害がより甚大だった可能性があると科学者たちは考えているようです。
記憶に新しいかもしれません。スマトラ沖地震。
それの津波被害も砂不足の影響があると考えられています。

【ベトナム・カンボジア】メコンデルタ地帯の水不足も砂不足の影響

下流に流れていくシルト=泥、土、砂です。こういうものがダムによってせき止められてしまう。ダムに砂が溜まるということは、本来下流に流れていくものがそこで止まってしまうということです。したがって下流にそれが流れない。
 ベトナム、カンボジアのメコンデルタは穀倉地帯です。ベトナムはそのデルタのお蔭で世界第3位のコメの輸出国になれたわけです。国際機関のアジア開発銀行が調査したところによれば、そのデルタ地帯の水田に必要なシルトの半分は中国からきている。水の貢献はたった18%なんですが、一番下流のデルタ部分で中国から流れてくる土、土砂、シルトが占めている割合は半分である。つまり「これが流れてこなくなったときにベトナムメコンデルタの農業はどうなるのか」を懸念する声があります。
上流に建設されたダムによって砂が減り、さらに雨が降らない、雨が降っても砂がないのですぐに乾いてしまう。 このようにメコンデルタ地帯の干ばつは大きな問題になっています。
水不足も砂不足の影響ですか、砂不足っていろいろなところに影響を与えていますね。
はい、その通りです、砂を大切にする必要がありますね。
はい。砂不足という意識があまりありませんでした。

砂の輸出禁止

大量の砂で海を埋め立てることによって、人工的な土地を増やしてきたのです。近隣隣国からの砂の輸入に頼らざるを得ないシンガポール。この状況にASEAN(東南アジア諸国連合)は、過度な砂の輸出禁止策を取って対策をしています。
埋め立てで土地を増やしてきたシンガポールに対して、砂の輸出禁止策で牽制しています。
輸出禁止にしないともっともっと砂を消費しそうだったんですね。

ガラスのリサイクル

ガラスは再利用できる資源です。
回収したガラスは処理工場を通して、種類別に細かく破砕したガラスの欠片(カレット)にします。そうして出来上がったカレットは、資源として様々な商品として生まれ変わります。
このガラスリサイクルの仕組みは、現代のようにリサイクルと言う言葉が一般的になるずっと前から、当たり前のように行われてきた地球環境に優しい取り組みなのです。
砂でできるガラスのリサイクルも砂不足対策には有効です。

アスファルトの再利用

古くなったり、傷んだアスファルト舗装は撤去され、主に、 “再生骨材” として再利用するために再生骨材製造所(多くは、アスファルト混合所)に運ばれます。
アスファルト混合所に集められたアスファルト塊は、大きさが様々であるため、そのままでは使用できません。そのため、アスファルト塊は “破砕機” という機械を使用して大きさが整えられ、再生骨材として使用されます。
再生骨材は,劣化して硬くなったアスファルトが付着していますが、 “再生用添加剤” を使って軟らかくされ、新しい骨材とアスファルトと共に混合されて “再生アスファルト混合物” として生まれ変わります。ただし、再生骨材に付着しているアスファルトが過度に劣化し硬くなりすぎているものは,再生路盤材として再利用されます。
なお、平成17年度建設副産物実態調査結果によるとアスファルト塊の再資源化率は98.6%に達しており、ほぼ全てのアスファルト舗装は、リサイクルされているといえます。
砂をもっとも使うコンクリートやアスファルトも再利用ができるんです!
アスファルトも再利用できるんですか。砂を大切にできますね。
足元にたくさんある砂も、
限りある資源だということを改めて考えていた方がいいかもしれません。
出典
  • http://getnews.jp/archives/910714
  • http://news.livedoor.com/article/detail/13722167/
  • http://jfn.josuikai.net/josuikai/21f/63/mt/mt.htm
  • http://www.toyo-cullet.co.jp/category01/
  • http://www.askyo.jp/knowledge/07-2.html