江戸時代は循環型社会

江戸時代は、エネルギー輸入なしで
日本全体がまかなわれていたとご説明しましたね。
現代からは想像がつきませんね。

江戸時代はリサイクル社会

江戸時代は、現在のように「ゴミ問題」を解決するためにリサイクルをしていたわけではありません。もともとモノが少なく、何であっても(灰のように現在は厄介者扱いされるものでさえ)貴重な資源でした。新しいモノは高価で簡単には手に入らなかったので、ほとんどすべてのものがゴミにならずに、使われ続けていたのです。
まず、江戸時代はモノ全てが貴重な資源でした。
資源が少なかったから貴重だったのですね。
そうです。ゴミにせず使えば資源です。

5Rとは

家庭でできる環境対策として、最近5R=「リデュース」「リユース」「リペア」「リサイクル」「リフューズ」というキーワードが多用されています。
リデュース(Reduce)とは、削減することを指し、生活のダイエットが必要になります。
ものを大切に長く使い、一度使ったら最後まで使い切ることが大事になります。
次に、リユース(Reuse)とは、そのままの形状で再度使用することを指し、瓶再利用、お下がり、バザーなどが該当します。
次に、リペア(Repair)とは、修理・修繕しながら大切に使うことを指し、衣類・家具などが該当します。
次に、リサイクル(Recycle)とは、形状を変え再度使用することを指し、ペットボトルからフリースを作ることなどが該当します。
最後、リフューズ(Refuse)とは、必要のないものを断ることを指し、スーパーのレジ袋を断りエコバッグ、レストランなどで割り箸を断りマイ箸などが該当します。
モノを大切にする考えは、「5R」と言われていますね。
3Rから発展していますね!
リペアとリフューズが追加されていますね。
では、江戸時代に行われていた環境対策活動をご紹介します。

【焼継屋】江戸時代のリペア

今は、陶磁器を割ってしまっても接着剤などを使えば、
誰でも割合簡単に接着できますが、昔は修理専門の職人がいました。
割れた茶碗や瀬戸物類を接着して再生するのが普通だったのです。
古い時代は、陶磁器類の接着に漆を使っていました。。
江戸に入っても、高級品は漆で修理されていましたが、
江戸中期、白玉粉(鉛が主成分)やふのり(無色ガラス粉末)で接着してから
加熱する焼き接ぎ方を発明した人がいて、
普通の安い茶碗などは、この方法で修理するようになりました。
まず、焼継です。割れた陶磁器を接着して修理することですね。
金継の陶磁器見たことあります。

【鋳掛屋】江戸時代のリペア

「鋳掛屋」(いかけや)はナベや窯(かま)の修理をする人です。
江戸時代には鍋釜に穴があいても捨てることはありません。穴をふさいでいつまでも使いました。
鋳掛屋は「ふいご」と火鉢を持ち歩き、頼まれれば即座にハンダ付けをして直していました。
鍋などに穴が空いたらハンダ付けで塞いで修理する、鋳掛もありますね。
お鍋に穴が空いたら捨ててしまいますね…。

【紙屑買い】江戸時代のリサイクル

不要になった帳簿などの製紙品を買い取り、仕分けをし、漉き返す業者に販売していました。当時の和紙は、10mm以上もの長い植物繊維でできていたので、漉き返しがしやすく、各種の古紙を集めてブレンドし、ちり紙から印刷用紙まで、さまざまな再生紙に漉き返すことができたそうです。
そして、紙屑から再生紙を作っていました。
紙屑は売買されていました。それぐらい紙が貴重でした。
古紙回収は今もありますね。

【教科書】江戸時代のリユース

寺子屋で使用していた教科書は学校の備品であったため、
1冊の教科書が100年以上使用されていたという記録もあるそうです!
寺子屋、昔の学校ですね。
そこでは使用する教科書は個人の持ち物ではなかったです。
ほう。
学校の備品で、使いまわしていました。
確かに、教科書は年度が変われば使いませんね。いいアイデア!
再利用はいいことばかりですよね!
実はいいことばかりではないかもしれません。

経済成長しない江戸時代

次々と新しいものを買ってくれないと、経済は成長しません。
 江戸時代の研究家・石川英輔氏の計算によると、幕府が雇う大工の賃金が2倍になるのに200年かかっており、ここから計算すると、経済成長率は年に0.3%ぐらいだそうです。
 当時の人の寿命を考えれば、1人の人生の間に「経済が大きくなった」とは実感できない、いわば定常型経済でした。
ものを再利用すると新しいものを買いませんね。
もちろん!
そうなると、経済は成長しません。
確かに…。
でも、ゴミを増やして経済成長することと
どちらがいいかは難しい問題です。
出典
  • https://www.japanfs.org/ja/news/archives/news_id027225.html
  • https://www.auncon.co.jp/blog/2008/07/5r.html
  • http://myumyueno.blog68.fc2.com/blog-entry-50.html
  • http://www.edojidai.info/risaikuru.html
  • http://www.rui.jp/ruinet.html?i=200&c=400&m=310673
  • https://and-u-b.jp/blog/90
  • https://www.es-inc.jp/library/writing/2013/libwri_id003734.html
江戸時代はどのようなエネルギーで生活していたのでしょうか、次回ご説明します。