2017年8月11日 第45回放送 「夢の新エネルギー、人工光合成」を分かり易く解説!

検索キーワードは「夢の新エネルギー、人工光合成」

今回取り上げるニュースはこれ

「人工光合成ハウス」実現へ、CO2を消費してエネルギー完全自給 (1/2)

戸建分譲住宅販売の飯田グループホールディングス(飯田GHD)は、大阪市立大学と共同で、世界初の人工光合成技術による「IG パーフェクトエコハウス」の実証実験を、2017年中に沖縄県宮古島で開始すると発表した。

 実験用IGパーフェクトエコハウスは、飯田GHDのグループ会社、飯田産業(東京都武蔵野市)が宮古島市で建設中の大規模リゾート計画地内に建てられており、この実証実験で、太陽光エネルギーから水素を作り出し、発電給湯を行う技術を確立し、2020年に「人工光合成技術による二酸化炭素消費型の新しい住宅」の完成を目指す。

二酸化炭素を消費して、エネルギーの自給を行える住居の実験を開始するというニュースが発表されました。
これは「人工光合成」という技術を使ってエネルギーの自給をする住宅です。

あまり聞きなれない「人工光合成」というキーワードを今回はご説明します。

「人工光合成」の光合成はどういったものでしたか?中学生の時に習ったと思いますが、復習です。


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光合成とは?

光合成のしくみ / 中学理科 by かたくり工務店 |マナペディア|

光合成のしくみ

光合成は、葉緑体とよばれる部分で行われます。葉緑体は葉っぱの裏側に多くあります。光合成に必要なものは主に水、二酸化炭素と日光で、光合成を行うことで自分に必要な栄養素にくわえて酸素も作り出します。

※H2Oは水、CO2は二酸化炭素、O2は酸素のことをさします。

水は主に根から取り入れ、CO2は葉っぱにある気孔という穴から吸収します。光合成によって発生したO2も、この気孔からはい出されます。

ちなみに日光が必要なので、光合成がおこなわれる時間帯は昼間です。植物は昼間は酸素を作り出し、夜の間はわたしたちと同じように呼吸をして、二酸化炭素を出しています。

光合成は植物の葉っぱで行われる働きで、水と二酸化炭素と太陽光で、栄養素と酸素を作り出すことです。

この光合成が「人工光合成」になるとどうなるのでしょうか?


人工光合成とは?

100倍以上の発生効率を実現する人工光合成における技術とは : FUJITSU JOURNAL(富士通ジャーナル)

人工光合成の研究は、植物の光合成に準えて行われています。光合成は大きく「明反応」と「暗反応」という二つのプロセスに分けることができます。明反応は、太陽光のエネルギーを受け、水を分解して酸素を出す部分です。人工光合成の明反応では、太陽光のエネルギーを用いて電極上の光励起材料(注1)から電子を取り出し、同時に溶液中の水を酸化し酸素を発生させています。

(注1)光のエネルギーを吸収した時に、内部でよりエネルギーの高い状態になり、電気が流れる(電子が移動する)材料のこと。人工光合成においてはGaN-xZnO系などの多くの酸化物・窒化物セラミックスが研究されている。

「人工光合成」の働きは光合成と同じものですが、人工的に光合成を行うので、「人工光合成」です。

では、なぜ「人工光合成」が注目されているのでしょうか。


人工光合成の必要性は?

人工光合成研究センター — 大阪市立大学

 人工光合成は、無尽蔵の太陽光エネルギーによって水や二酸化炭素から水素やメタノール等の低炭素燃料を創出して、近未来の世界が直面するエネルギー問題の解決につながる画期的な技術として期待されています。人工光合成技術は、ガソリン等の化石燃料の利用により現在増大を続ける、大気中の二酸化炭素の濃度を低下させて環境問題の解決にも寄与するばかりでなく、この技術により創出された低炭素燃料は消費されて再度二酸化炭素となるため、炭素が循環する理想的な持続可能社会を実現するものです。

「人工光合成」は温室効果ガスの二酸化炭素から、酸素とエネルギーを作り出すことができます。

温室効果ガスを減らして、ガソリンなどの化石燃料の変わりになるエネルギーを作る。素晴らしいですね! だから、「人工光合成」は期待されています。

「人工光合成」とクリーンエネルギーの代表格である太陽光発電との違いはどこでしょうか。


太陽光発電について

今なぜ太陽光発電|太陽光発電基礎知識|JPEA 太陽光発電協会

太陽光発電は、「太陽電池」と呼ばれる装置を用いて、太陽の光エネルギーを直接電気に変換する発電方式です。 地球上に到達する太陽光のエネルギー量は1m2当たり約1kW。もしも地球全体に降り注ぐ太陽エネルギーを100%変換できるとしたら、世界の年間消費エネルギーを、わずか1時間でまかなうことができるほど巨大なエネルギーであり、しかも、枯渇する心配がありません。 現在、日本は、石油や石炭などのエネルギー資源のほとんどを諸外国からの輸入に頼っていますが、こうした化石燃料は使い続ければいずれなくなってしまうもの。太陽の光という無尽蔵のエネルギーを活用する太陽光発電は、年々深刻化するエネルギー資源問題の有力な解決策の一つです。 また、クリーンであることも大きな特長。発電の際に地球温暖化の原因とされている二酸化炭素(CO2)も発電時にはまったく排出しません。 エネルギー源の確保が簡単で、地球にもやさしい太陽光発電。日本は、世界でもトップクラスの太陽光発電技術を有する国でもあり、その導入量のさらなる増加が期待されています。

太陽光発電はその名の通り、太陽の光で発電するものです。

まずは、「人工光合成」と太陽光発電の違いは二酸化炭素を消費するかしないかが違います。
他に、違うところがあるのでしょうか?


太陽光発電と人工光合成の違い

人工光合成が将来のエネルギー問題を救う? | 太陽光発電の価格を比較|費用・採算性を計算するには?

太陽光発電の場合、太陽光発電によって生成された電気はそのまま電力会社などに送られますが、電気が到着する頃にはある程度電気が減ってしまいます。
なぜなら電気は、移動をしている最中も周囲に放電をしてしまうからです。世界をまたいで電気の輸出輸入をしている時は、この電気のロスが非常に目立ちます。

しかし人工光合成の場合は、人工光合成で生み出された液体燃料を貯蔵し、そしてそれを運ぶことが可能です。 つまり双方の違いは、生み出したエネルギーを「貯めることが出来るか出来ないか」と言って良いでしょう。

もちろん「人工光合成」と太陽光発電は二酸化炭素を減らすことができるかどうかもですが、生み出したエネルギーを蓄えることができるかどうかが大きな違いです。

蓄えられるということは、直接電気を送電する太陽光発電と違い、「人工光合成」は貯蓄した燃料を運ぶため送電時のロスがなくなります。


人工光合成は、夢の新エネルギー

『夢の新エネルギー「人工光合成」とは何か』がわかる! ホントにわかる!! – HONZ

人工光合成の技術を利用すれば、石油や石炭といった化石燃料に頼らずにエネルギーをまかなうことができる。同時に、全人類にとっての大問題となっている二酸化炭素の排出量を減少させることもできる。まるで夢か魔法の技術だ。

「人工光合成」は夢の新エネルギーと言われています。

化石燃料の消費を減らし、エネルギーを作り、さらに温室効果ガスを減らすからです。
夢のような新エネルギーですね!

では、「人工光合成」の課題はどのようなところですか。


人工光合成の課題

常識外れの触媒が地球を救う? | 九州大学 理学研究院 理学府 理学部

水の完全分解には、丈夫な触媒が必要

植物がいとも簡単に光合成を行っているのに対し、人間はこの「水の完全分解」すら実用化できていません。水から水素を取り出す研究は活発に行われてきましたが、酸素を取り出す触媒の開発が後れをとっているためです。

酸素発生は水から4つもの電子を同時に奪う反応(酸化反応)なので、人工的に再現するのが難しいといわれています

光合成に必要な「水の完全分解」が、「人工光合成」ではまだまだ実用化できていません。

これは、水の中にある酸素を取り出す触媒の開発が進んでいないことが原因です。


人工光合成の実証試験はいつから?

開発への道筋が見えてきた、夢の技術人工光合成 2022年に総合実証試験のスタート目指す : J-CASTニュース

2010年のノーベル化学賞を受賞した根岸英一・米パデュー大学特別教授。2011年1月に、国内の化学研究者ら100人以上を束ねて「人工光合成」の研究を始めると発表、国に働き掛けたこともあり、「国家プロジェクト」として2012年から文部科学、経済産業の両省が連携して10年間で約150億円の予算投入を決定。政府の総合科学技術会議が2013年夏に人工光合成を「環境技術革新計画」の重点研究分野に位置づけ、また、経産省が2014年夏に発表した「エネルギー関係技術開発ロードマップ」(19分野)の中で、人工光合成のみが具体的な実行スケジュールを書かれ、「合成触媒」の開発を先行させて2017年に実証試験を始め、2022年に総合的な人工光合成の実証試験に着手する――とした。

ノーベル賞を受賞した根岸教授が中心になって、「人工光合成」は国家プロジェクトとして大々的な開発を始めました。

2022年には、「人工光合成」の実証試験に着手する予定です。

実際に、「人工光合成」が使われるのはいつ頃になりそうでしょうか。


人工光合成の実用化はいつころか?

人工光合成とは?│人工光合成.NAVI

現在、「人工光合成」の研究は日本とアメリカをトップランナーに中国や韓国も含めて凌ぎを削っていますが、「人工光合成」の実用化を山の頂点に例えると5合目に到達したレベルだと言われています。

例えば、既に、自然光での「人工光合成」の実験で単純な有機化合物のギ酸を作ることに成功していますが、まだ、植物の「光合成」のエネルギー変換効率である1%には遠く及びません。

従って、最終的には「人工光合成」のエネルギー変換効率が10%を上回ることが、実用化の1つのメドと言えそうです。自然界の植物の「光合成」を上回るエネルギー効率に達しなければ、多くの時間とコストを掛けて「人工光合成」研究を続ける意味が無いからです。

日本のトップの研究者達は、そのレベルに2030年までに到達することを当面の目標に日夜研究を続けています。

2022年に実証試験を行い、「人工光合成」の実用化は2030年を目標にしているようです。

「人工光合成」の早期開発に期待しましょう。


今回の放送のまとめ

夢の新エネルギー、「人工光合成」の早期開発に期待。


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