2016年10月14日 第2回放送 「水銀製品使用のガイドライン」を分かり易く解説!

ミタデンの「なるほど!そうだったのか!」

検索キーワードは「水銀削減」

今回取り上げるニュースはこれ

「水銀使用製品の適正分別・排出の確保のための表示等情報提供に関するガイドライン」を取りまとめました(METI/経済産業省)

水銀使用製品の製造又は輸入の事業を行う者による水銀使用製品に関する表示等情報提供について、国としてその望ましい在り方を明らかにすべく、産業構造審議会・中央環境審議会の合同会合で審議を行い、「水銀使用製品の適正分別・排出の確保のための表示等情報提供に関するガイドライン(案)」を取りまとめました。本案について平成28年7月4日(月曜日)から 8月 3日(水曜日)まで行った意見募集の結果をお知らせするとともに、これを踏まえて策定したガイドラインを公表いたします。

つまり、水銀を利用している製品の処分方法について一定のルールを作る為の方向性を決めましたよ。という訳です。

何故そんなルールが必要なのでしょうか。水銀について見てみましょう。


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そもそも水銀とは

水銀 (すいぎん)とは【ピクシブ百科事典】

元素番号80の元素。元素記号はHg。「汞」とも書く。
12族に属する金属元素。常温で液体の金属。身近なところでは体温計や蛍光灯に使われている。
過去には様々な用途に使われていたが生物に対し中毒(特に有機水銀化合物)を起こす為、使用が忌避され代替品に取って代わられつつある。

水銀は、身近な所にあったんですね。年配の方々は特に体温計や血圧計など使われていらっしゃったのではないでしょうか。

その水銀が実は非常に恐ろしい中毒症状を発症させる原因になっていたのです。小学校で習った「四大公害」の一つでもある水俣病について見てみます。


過去の水銀による公害

水俣病とは – 環境 – Yahoo!きっず学習

1950年代、熊本県水俣市で原因がわからない病気が発生しました。手足がしびれたり、カラダがふるえたり、言葉がしっかり話せず、相手の言葉が聞きとりにくいなどの症状をうったえる人たちが増えたのです。ひどい場合は激しい痛みにおそわれ、意識不明になったり、亡くなることもありました。当時、この病気がなぜ発生したのかわかりませんでした。そのため、地域の名前をとって水俣病と名づけられました。
水俣病の原因は、ビニール製造に必要な原料(アセトアルデヒド)をつくるときに発生したメチル水銀によるものでした。メチル水銀は工場廃水に混じって海に流れ、魚や貝によって人のカラダにとりこまれました。この魚や貝を食べた人たちに水俣病の症状が出たのです。この汚染はチッソという会社によって引きおこされました。水俣病の原因がわかったのが1968年。チッソがアセトアルデヒドを作り始めて36年後のことでした。
廃水が流されていた水俣湾にはメチル水銀を大量にふくんだヘドロがたまり、厚みが4メートルになったところもあったといいます。その結果、水俣病にかかったと認められた人は2000人をこえ、被害を受けた人は1万5000人以上になりました。その後、13年の歳月と485億円というたくさんのお金をかけて水俣湾は埋め立てられ、水俣病の被害は止まりました。1997年、熊本県知事が「水俣湾の安全宣言」を行い、魚を釣って食べたり、泳いだりすることもできるようになっています。現在水俣市では、水俣病の被害を語りつぎ、こうした公害を二度とおこさないため、世界の環境モデル都市として積極的な取り組みを行っています。

水俣病はあまりにも有名な公害の一つだと思います。排水と一緒に流された水銀が引き金になって、発生した水俣病は「食物連鎖」という当たり前の経路を通って人体に影響を及ぼしたんですね。

生物濃縮(のうしゅく)

水俣病の原因となったメチル水銀は海に流され、プランクトンなどにとりこまれます。それを魚が食べ、さらにその魚を水俣に住む人々が食べました。これを食物連鎖(しょくもつれんさ)といいますが、その作用をとおしてメチル水銀の濃度が高まってしまいました。こうした食の連鎖によって毒が濃縮されることを「生物濃縮」といい、水俣病の発生に大きく関わったといわれていれます。

普段、私たち人間が食べているものが、何を食べて育ったのか。その先の先まで知る必要がありますね。

当時は、そこに気付くまでに時間がかかり、同じような公害が別の地域でも発生しました。

ほかの地域の水俣病

1965年、新潟県の阿賀野川(あがのがわ)沿いの地域でも、同じ病気が現れました。こちらは新潟水俣病と呼ばれています。
水俣病は日本に限って起きている病気ではありません。中国、ブラジル、タンザニアなど、世界20ヵ国以上の地域で水俣病と同じ水銀中毒が確認されています。

この様にあちらこちらで同じような水銀を引き金とした公害がおきました。

工場の様に大きなものから大量に排出された水銀が原因になっていますが、私たち個人個人も水銀の使われている製品の廃棄を正しく行わないと、同じことを引き起こしてしまうかもしれません。

それではここで、身近な水銀の含まれている製品を見てみます。


身近にある水銀の使用されている製品

京都市:家庭で眠っている「水銀が使われている製品」の回収にご協力をお願いします!

ご家庭に、「水銀が使われている製品」が眠っていませんか? ご家庭で使用している製品の中にも水銀が使われているものがあります。
  • 【蛍光管】7㎎の水銀を含有蛍光管内に気体として存在
  • 【水銀体温計】蛍光管約100本の水銀を含有水銀血圧計
  • 【水銀血圧計】蛍光管6,800本分の水銀を含有
  • 【電池類】(乾電池、小形二次電池(充電式電池)、ボタン電池)
    ※一部のボタン電池や海外製の乾電池に、水銀が使用されている場合がある。

蛍光管や体温計、血圧計、電池など、非常に多くの身近なものに、少量ずつではありますが水銀が使用されています。

1つずつでは少量ですが、そのような水銀の使われている製品もみんなが排出すると大量になります。

ですから、水銀の使われている製品は正しく処分しましょう。

あれ?、でも、そもそも自分の周りにあるもので水銀が使われている製品なんて分からないんじゃないでしょうか?


身近なものに水銀は利用されてきている。そして、今も利用され続けている。でも、パッと見ただけでは使われているのかどうかなんてわからない!


そこで、今回の「水銀使用製品のガイドライン」なのです

水銀使用製品の適正分別・排出の確保のための表示等情報提供に関するガイドライン(別添1)(PDF形式:196KB)

要約すると

  • 環境汚染を防止する為に、水銀の使われている製品の回収を適切に行いましょう
  • 今後、水銀を使用する製品を作る際は、「これ水銀を使ってますよ」と誰でも分かる様にしましょう

という事です。


今回の放送のまとめ

水銀使用製品は分かり易くなっていくので正しく廃棄しましょう!


参考資料:水俣条約について

水銀条約 – 水銀に関する水俣条約について | 2014 | 岩崎電気

2013年10月10日に熊本県で開催された国連環境計画(UNEP)の外交会議で、水銀汚染防止に向けた国際的な水銀規制に関する「水俣条約(Minamata Convention on Mercury)」が採択されました。条約の発効には50カ国以上の批准が必要なため、日本では水銀の取り扱いに関する法整備に着手し、早期の批准を目指しています。
※2016年2月2日 水銀に関する水俣条約の締結の閣議決定がされました。
水俣条約の主な内容
  • 電池、化粧品や血圧計など水銀を含む9種類の製品の製造・輸出・輸入を2021年以降禁止
  • 輸出の際は輸入国の事前の書面同意を義務づけ 歯科用水銀合金の使用を削減
  • 小規模金採掘は使用を削減し可能なら廃絶
  • 新規水銀鉱山の開発禁止
  • 既存鉱山からの産出は発効から15年以内に禁止
  • 石炭火力発電所からの水銀排出削減
  • 50カ国が批准してから90日後に発効照明に関しては 一般照明用の高圧水銀ランプの製造・輸出・輸入を2021年以降禁止
  • メタルハライドランプ・高圧ナトリウムランプは規制対象外
  • 紫外線ランプなど一般照明用以外の特殊用途用ランプは規制対象外
  • 蛍光ランプは、水銀封入量を規制(5~10mg)

水銀に関する取り組みは既に始まっています。


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