2017年7月21日 第42回放送 「世界の常識!水リスクへの配慮。」を分かり易く解説!

検索キーワードは「世界の常識!水リスクへの配慮。」

今回取り上げるニュースはこれ

世界の機関投資家、企業の水リスク対策注目

機関投資家が投資先企業の水リスク対策を投資判断に活用する動きが広がりそうだ。国際的な非政府組織「CDP」は1000社以上を対象に水リスクへの対応に関する格付け調査を実施。この結果をESG(環境、社会、統治)投資の一環として投資先の企業分析で活用する動きが出始めている。将来、投資判断に直接活用する動きが広がれば企業の洪水や水不足などの水リスク対策は株価や資金調達にまで影響が広がる可能性がある。 

 水リスクは今や企業にとって無視できない経営課題。2011年にタイで洪水が発生した際には700社以上の生産設備が冠水し、工業団地の被害額は1兆7000億円もの高額となった。16年にはインド西部で大干ばつが生じ、3億人以上が水不足に悩まされた。

日本で暮らしているとなかなか耳にすることが少ないかもしれませんが、近年、世界中で注目されている「水リスク」についてご説明します。


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水リスクとは

日本企業は、「水リスク」への意識が低すぎる | ここが変だよ!日本のCSR | 東洋経済オンライン | 経済ニュースの新基準

世界的な水資源の不足は、気候変動と並んで、現在最も重大な環境問題の一つである。気候変動による降雨・降雪パターンの変動が干ばつや洪水を生み出す。さらに、人口増加、経済成長、都市化などによる、飲料水、農業用水の不足は年々顕著になってきている。

世界経済フォーラムが発行する「グローバルリスクレポート」2014年版では、世界で起こりうる10大リスクとして、「水の危機」は「気候変動」「食糧危機」よりも順位の高い3番目に位置づけられている。

「水リスク」とは、人が生活する上で不可欠な水に関する様々な問題のことです。

日本、世界でどのような現象が起きているのでしょうか。


【日本】ゲリラ豪雨

ゲリラ豪雨って何?原因は?|スコールとの違い|夕立との違い

都市部では、大量の廃熱やアスファルトとコンクリートで覆われた地表の温度が簡単に高い温度になる事、それと高層ビル郡により気流が複雑な流れになることによって、局部的に非常に強い上昇気流を生み出します。

これによって地表近くの高温で湿度の高い空気が、急激に上昇することにより、気圧の低下と温度の低下が起こり、急激に雲を発達させ、ごく短時間で巨大な積乱雲になり、ゲリラ豪雨が起こるという仕組みです。 そして、雨が多量に降ることによって地表温度が急に下がると、ごく短時間のうちに消えてしまうと言う特性もあります。

日本では、ゲリラ豪雨が発生する確率が増えています。ゲリラ豪雨で土砂崩れや洪水、農作物の被害が出てくることも「水リスク」です。


【世界】干ばつ

世界同時多発干ばつ

タイをはじめとして、エチオピア、パプアニューギニア、インド、モロッコ、ハワイ、南アフリカ、スワジランドなど、今年に入ってから多くの国々で、過去数十年で最悪か、あるいは「歴史上最悪」のレベルに達する干ばつが発生している

逆に、世界の「水リスク」は干ばつが深刻です。


水利用可能量とは

人間が使える水は、地球上にどのくらい? – 水をもっと知ろう

この地球には、およそ13.8億立方キロメートルの水があると言われています。

しかし、この大量と思われる水のうち、97.5%は海水。淡水はわずかその2.5%にすぎません。しかも、その約70%が南極や北極地域の雪氷や氷河で、残りの大半は地下水です。

この地下水も半分以上が地下800メートルよりも深い地層にあり、私たち人間が簡単に利用できる水ではありません。

結局、私たちがすぐに使える河川や湖沼、浅い地層の地下水などの淡水は、地球の水資源のわずか0.01%に過ぎません。

地球は「水の惑星」と言われていますが、97.5%は塩水でそれ以外の2.5%しか淡水はなく、淡水の大半は南極北極の氷河で、飲料、農業、工業に使用できる水は、1%以下と言われています。

水が豊富な地球でも、人が使用できる水は少ないということを意識すると、「水リスク」に備えられると思います。


今後の水使用量予想

水資源:水資源問題の原因 – 国土交通省

経済協力開発機構(OECD)の「OECD Environmental Outlook to 2050(2012)」によると、2000年時点の世界の水需要は約3,600km3であり、このうち灌漑用水が約2/3を占めています。 水需要は2000年から2050年の間に、主に製造業の工業用水(+400%)、発電(+140%)、生活用水(+30%)の増加により、全体で55%の増加が見込まれています。 2050年には、深刻な水不足に見舞われる河川流域の人口は、39 億人(世界人口の40%以上)となる可能性もあると予想されています。

2050年には、世界的な人口増加と工業化で水の使用量が55%増加すると予想されています。将来の、「水リスク」は深刻です。

さらに、日本は水を大量に輸入していることを知っていましたか?


日本は水の輸入大国

日本は“バーチャルウォーター”輸入大国!!? | 水ラボ~水とくらしの研究所~

「食料自給率」とは、国内の食糧消費が国産でどの程度まかなえているかを示す指標です。
日本はこの食料自給率が40%程度と、他国と比較して極端に低いのです。
つまり、国内の食料の残りの約60%を輸入に頼っているということです。
しかしなぜ、食料自給率が水の輸入量と関係するのでしょうか?
例えば、ある日の夕食に外国産の牛肉のステーキが並んだとしましょう。
肉牛が育つまでにどれだけの過程があるか想像してみると、
飼料を作るのに必要な水+牛の飲み水など、
最終的に食卓に届くまでに大量の水が必要になっていることが考えられます。
つまり食料の輸入は“間接的な水の輸入”と捉えることができます。

この見解に基づいた仮想の水のことを「バーチャルウォーター(仮想水)」と呼びます。

日本は食料自給率が低い国です。食料の60%を輸入しています。その輸入している食料を、育てるためや加工するために、もっと大量の水が使われています。

このことも考えると日本もしっかりと「水リスク」のことを考えないといけません。


工場の水使用量を減らす動き

水使用量の削減・排水管理 | 人と社会 | アサヒグループホールディングス

さまざまな自然の恵みを用いて、事業活動を行っています。自然の恵みの中でも水は、原料栽培や製造設備の洗浄など広く用いられ、製品づくりには欠くことができず、代替し難い資源であり、水が無くては事業を継続することができないと認識しています。

その認識をもって、水を扱うすべての拠点において水利用の効率性の向上を追求するだけではなく、取水・排水においては環境への負荷をできる限り小さくできるよう適切な対応・管理に努めています。

世界的な「水リスク」のために水の使用量を減らす動きが活発化しています。

工場での水利用の効率化を工場させることで、使用量を減らす企業が増えています。


水リスクの企業戦略

「水リスク」—大不足時代を勝ち抜く企業戦略:研究:Chuo Online : YOMIURI ONLINE(読売新聞)

日本企業は、環境への配慮は進んでいますが、水問題への対応は環境対策とは別の次元で考える必要があるという点を十分理解していないように思います。たとえば、汚染した水を浄化して川に流すのは環境対策ですが、その水が海に流れ出ると飲み水や農業・畜産用水にはなりません。

 サントリーの先進事例はあるものの、生産活動における節水、水を地下水に戻す活動、水不足地域への水問題への取り組みなどに関しては、日本企業は、欧米のグローバル企業に比べて遅れていると考えられます。

 水リスクへの対応は、企業の社会的責任(CSR)としての活動を超えて、企業戦略そのものであるという認識が必要な時代になっています。

将来は、「水リスク」への対応力が、世界的に大切になると予想されています。

人の生活に欠かせない水。「水リスク」への配慮は世界の常識になりつつあります。

毎年8月下旬にストックホルムで開催されている「ワールド・ウォーター・ウィーク」をチェックしてみましょう。


今回の放送のまとめ

限りある資源、水。人にも地球にも不可欠な水を大切にしましょう。


広告限りある資源を企業活動に有効に活用しましょう

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